「魔理沙は本当に人気者よね」 「何だよ、いきなり」 「んーちょっと思っただけ」 窓の外をちらりと見たらアリスが立っていた。でも私と目が合ってどこかに行ってしまった。きっと魔理沙に会いに来たのだろうけれど、私がいないときのほうがいいのだろう。私も意地が悪いわ。アリスが魔理沙のことを想っているって分かっているのに家を出る気がないし、魔理沙にアリスが来ていたと話す気もないし、アリスを引きとめる気もない。めんどくさいというか何というか。(でもさっきアリスと目が合っちゃたし次会った時気まずいかも)まあ、とにかく私はしばらくは魔理沙の家から出る気はない。どうして私が魔理沙の家にいるのかというと、退屈だったから遊びに来た、というのが正しいのだろうけれど、魔理沙にはちょっと話したいことがあって、と言ってある。きっと適当に話をしているうちに魔理沙は話したいことがあって、なんて言ったことを忘れてしまうに決まっている。どうして素直に退屈だったから来たって言えないのかというと、何というか、私が魔理沙のことを好きみたいだからだ。普通に友達同士でも退屈だったから来た、ってなることはあるのかしら?でも、何だかそういう風に言えない。魔理沙はきっと大歓迎してくれるだろうに。 「まあ、私には確かに親しいやつは結構いるが人気者かどうかは分からないぜ?」 「どうだか」 「どうだかって」 私も変わってるわよね。退屈だからって魔理沙の家に来るだなんて。別に魔理沙のことが好きなわけでもないのに。それなのにいちいち魔理沙に会いに来るなんて。きっと魔理沙がいちばん話しやすくて一緒にいて退屈しないからなんだろうけど、好きだなんてことはこれっぽちもないわ。(友達としては好きだけれど)(たぶん)それにしても魔理沙は本当に自分がいろいろな人に想われてるって気が付いていないのかしら? 「アリスなんか私にものすごく冷たいぜ?」 「私にはそうは見えないけど?」 「それにパチュリーだっていつも遊びに行ったら本返せってそればっかだぜ?」 「でも、そんなこと言いながらも貸してくれるんでしょ」 「まあなー」 魔理沙はちょっと鈍感だからね、と口にしそうになったけれど止めた。でも本当魔理沙は鈍感で単純だと思うわ。でも悪知恵は働くし馬鹿ではないのよね。たまに頭のいいことを言ったりするし、本もよく読んでいるみたいだし。まあ、どちらかというと鈍感で単純というのは性格に入るのかしら。頭の良さとはまた別よね。でも鈍感で単純なのは魔理沙のいいところだと思うのよね。そうじゃなかったら私はこうして魔理沙と一緒にいないかもしれないわ。(だって私は鈍感で単純な魔理沙のことが)(…好きなわけじゃなくて!) ふと窓の外を見るとまたアリスが来ていた。そろそろアリスのことが可哀そうになってきたし、おいとましようかな。いや、でも、何だか素直に出ていく気になれないのよね、不思議。でも今日は帰ろう。何だか今日は余計なことを考えてしまう。普通に魔理沙とおしゃべりしにきたのに。まあ家に帰ったら帰ったで退屈だからもっといろいろなことを考えてしまうかもしれないけれど。 「私そろそろ帰るわ」 「もう帰るのか?」 「うん。お客さん来たみたいだし」 「客?」 「アリスが外で待ってる」 「何だよ、入ってこればいいのに」 「入ってこれない理由があるんじゃない」 魔理沙はあたまにはてなを浮かべている。私はそれをみてくすくすと笑った。やっぱり魔理沙は鈍感だわ。魔理沙のことを想っている子たちがちょっと可哀そう。 「別にが帰ることないんじゃないか?」 「んー帰らなきゃいけない、かな」 「そうなのか?」 「うん、アリスのことを考えるとね」 「…よくわからんが…分かったぜ。また来るんだぜ」 「うん、もちろん」 「私に優しくしてくれるのはだけなんだからなー」 何を言ってるの、と笑ったけれど、何故だか胸の奥が熱くなってどきどきしてきた。魔理沙のばか、私は優しくなんてないわ。私は普通。魔理沙に普通に接しているだけ。ほかの子はただ不器用なだけなの。私なんかよりも魔理沙のことが好きで好きで素直になれないだけなの。本当は私なんかよりもずっと優しいはずだわ。私なんてむしろ意地悪だわ。さっきだってアリスが来てるってもっと早く教えてあげればよかったのに。でも、もうちょっと家にいたかったかも。…ああ、私ってば何言ってるの。これじゃあ私が魔理沙のこと好きみたいじゃない! 飛んでってバイバイ (矛盾してるわ、私) 東方に手を出してしまいました^P^ しかも百合夢とか…! 20110217 [★高収入が可能!WEBデザインのプロになってみない?!
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